家系図の書き方 — 線の引き方と続柄のルール
最終更新: 2026-08-24
家系図の書き方に法律で決まった様式はありませんが、系図を読み慣れた人が共有している慣例はあります。慣例に沿って書けば、初めて見る親族にも誤解なく伝わり、相続の場面など実務でもそのまま通用します。この記事では基本のルールと、迷いやすいケースの書き方をまとめます。
基本ルール: 3種類の線
- 夫婦(婚姻) — 二重線でつなぐ。内縁・事実婚を区別したい場合は一重線や波線にして注記します。
- 親子 — 夫婦の二重線から下へ単線を引き、子へつなぐ。子が複数なら横線で束ね、生まれた順に右から(縦書きの場合)並べます。
- 養子縁組 — 点線(破線)でつなぐのが慣例です。実親との線も残す場合は、実線(実親)と点線(養親)を併記します。
この3種類だけで、たいていの家族関係は表現できます。線種を増やすより、注記で補うほうが読みやすい系図になります。
レイアウト: 世代を揃える
読みやすい家系図の最大のコツは、同じ世代を同じ高さ(縦書きなら同じ段)に揃えることです。年齢ではなく世代で揃えます。おじと甥の年齢が近くても、段は分けます。
縦書き(和式)は毛筆の系図の伝統に沿った様式で、右から左へ世代が下ります。横書きは上から下へ世代が下る形式で、Excelやアプリで作る場合はこちらが扱いやすいでしょう。どちらでも構いませんが、一枚の中で混在させないことが大切です。
人物に書く情報
氏名だけの系図は、数十年後には誰が誰やら分からなくなります。最低限、次の情報を添えることをおすすめします。
- 氏名(旧字体で戸籍に載っている場合は、戸籍の表記も併記)
- 生年・没年(不明なら「生年不詳」と明記。空欄と不詳は区別する)
- 続柄(長男、二女など。戸籍の記載に合わせると照合しやすい)
- 必要に応じて、出身地・職業・戒名など
迷いやすいケースの書き方
- 再婚 — 一人の人物から二重線を2本引き、それぞれの配偶者へつなぎます。先妻・後妻の別と婚姻期間を注記すると明確です。離婚した配偶者も、子の親であれば消さずに残します(×印を線に添える書き方もあります)。
- 婿養子 — 妻の家に入った婿養子は、婚姻の二重線に加えて、養親となる妻の親との点線を引きます。
- 早世した子 — 幼くして亡くなった子も記録として残す価値があります。戸籍にはしばしば載っています。
- きょうだいの配偶者や甥姪 — 載せる範囲は目的次第です。直系中心の系図なら、傍系は名前だけ載せて枝を止める、と決めておくと際限なく広がりません。
存命の人を載せるときの注意
家系図を親族の外へ見せる・公開する場合、存命の人の生年月日や住所などの個人情報は本人の了解なしに載せないのが原則です。印刷して配る範囲でも、載せてよいか一声かけるのが無難です。当サイトでは、家系図を公開する際に存命の方の情報が自動的に伏せられるようにしていますが、紙で作る場合は自分で気を配る必要があります。
実務で使う場合は様式が別にある
相続手続で使う「相続関係説明図」や法務局の「法定相続情報一覧図」は、ここで述べた鑑賞・記録用の家系図とは目的も記載事項も異なります。相続に使う場合は、被相続人と相続人だけを載せた専用の図を別に作るのが確実です。詳しくは相続の記事で解説しています。