家系図の作り方 — 初めてでも進められる5つの手順
最終更新: 2026-08-24
家系図づくりは「戸籍を取る」「系図を書く」といった個々の作業より、全体の段取りでつまずく人がほとんどです。逆にいえば、手順さえ決めてしまえば、特別な知識がなくても着実に進みます。この記事では、初めての人がゼロから家系図を完成させるまでの流れを5つの手順に分けて説明します。
手順1: 範囲を決める
最初に決めるのは「どこまで載せるか」です。すべての先祖を追いかけようとすると、対象は世代ごとに倍々で増えていきます(両親2人、祖父母4人、曽祖父母8人…)。最初から全系統を狙うと必ず息切れします。
おすすめは、まず父方(または母方)の名字一系統に絞ることです。一系統なら戸籍請求も数回で済み、1〜2か月で形になります。一つ完成させてから範囲を広げるほうが、結果的に遠くまで行けます。
手順2: 家にあるものと記憶を集める
戸籍請求より先にやるべきなのが、身近な情報集めです。理由は単純で、聞ける人は年々減っていくからです。戸籍はいつでも取れますが、祖父母の記憶は今しか聞けません。
- 親・祖父母・おじおばへの聞き取り(先祖の名前、出身地、職業、本家がどこか、菩提寺はどこか)
- 仏壇の位牌・過去帳(戒名と没年月日、俗名が書かれていることも)
- 古い写真、賞状、手紙、年賀状の束
- 墓石の刻字(建立者名、没年、旧字の名前)
聞き取りは録音しておくと後で必ず役立ちます。「あいまいな記憶」も捨てないでください。戸籍と突き合わせると正体がわかることがよくあります。
手順3: 戸籍を出生から死亡までさかのぼる
情報が集まったら戸籍の請求です。自分の戸籍から始めて、父母→祖父母→曽祖父母と、従前戸籍をたどって遡ります。2024年に始まった広域交付制度を使えば、最寄りの役所の窓口でまとめて請求できます。詳しい手順は「戸籍をたどって先祖を調べる方法」の記事にまとめました。
戸籍が読みにくいのは最初だけです。古い戸籍は手書きの旧字・変体仮名で書かれていますが、「前戸主」「従前戸籍」「入籍」など決まった語彙の繰り返しなので、2〜3通読むと目が慣れます。
手順4: 読み取った内容を系図に整理する
戸籍の束をそのまま置いておくと、数か月後の自分が読み返せません。取った戸籍はその日のうちに、名前・生没年・続柄を系図の形に写しておきましょう。
整理の道具は紙でもExcelでも専用アプリでも構いません。大事なのは「人物を一人ずつ登録し、親子と婚姻の線でつなぐ」という構造で持つことです。この形にしておけば、あとで書式を変えるのも、印刷するのも自由が利きます。手書き派の人向けには、書き方の慣例(婚姻は二重線、養子は点線など)を別の記事にまとめています。
手順5: 完成させて、共有する
家系図は「完成したら見せる」ものではなく、途中経過を親族に見せるほど育つものです。半分できた系図を親戚の集まりに持っていくと、「この人はね…」と情報が向こうからやってきます。誤りの指摘も貴重な情報源です。
一段落したら、印刷した紙とデータの両方で残してください。紙は災害や引っ越しで失われ、データはサービス終了や規格の陳腐化で読めなくなります。両方を持ち、たまに更新するのが最も確実な残し方です。
挫折しないための3つのコツ
- 完璧を目指さない — 生年が「不詳」の先祖がいて構いません。空欄は「ここから先はまだ調べていない」という地図になります。
- 一次資料と伝聞を区別する — 戸籍で確認できた事実と、聞き取りによる話は、印をつけて分けておきます。あとで矛盾が出たとき、どちらを信じるべきか判断できます。
- 期限より区切りを決める — 「父方の明治まで」を終えたら一度打ち上げる。区切りごとに完成品ができる進め方が長続きします。