戸籍をたどって先祖を調べる方法
最終更新: 2026-08-24
先祖調査でまず頼りになるのは戸籍です。戸籍は明治時代から続く公的な記録で、正しく請求していけば、多くの家で江戸時代末期に生まれたご先祖の名前までたどり着けます。特別な資格も、専門家への依頼も必要ありません。この記事では、戸籍の種類と請求のしかたを、実際に窓口で使える言い回しまで含めて説明します。
戸籍でどこまで遡れるか
現在請求できる最も古い戸籍は、明治19年(1886年)式と呼ばれる様式のものです。それより古い明治5年式戸籍(壬申戸籍)は、記載内容に問題があるため封印されており、閲覧できません。
明治19年式戸籍には、戸主の父母や祖父母の名前が載っていることがあります。そこに書かれた人は江戸時代の生まれですから、戸籍だけでも文化・文政〜天保年間(1800年代前半)ごろに生まれた先祖の名前までわかるケースが珍しくありません。世代でいえば4〜6世代、150〜200年ほど遡れる計算です。
戸籍の種類は3つ
請求の場面で登場する戸籍は、大きく3種類に分かれます。
- 戸籍謄本(全部事項証明書) — いま使われている戸籍。手数料は1通450円。
- 除籍謄本 — 結婚・死亡・転籍などで全員がいなくなった戸籍。1通750円。
- 改製原戸籍(かいせいはらこせき) — 法改正で様式が変わる前の古い戸籍。1通750円。先祖調査で主に読むのはこれです。
名前は難しそうですが、請求する側が種類を正確に指定する必要はありません。後述の「出生から死亡まで」という頼み方をすれば、役所の側で該当する種類をすべて出してくれます。
請求できるのは直系の子孫だけ
戸籍を請求できるのは、原則としてその戸籍に載っている本人・配偶者と、直系の親族(祖父母・曽祖父母などの直系尊属、子・孫などの直系卑属)です。つまり、自分の父方・母方の先祖の戸籍は請求できますが、おじ・おばやその子孫など傍系の戸籍は、正当な理由がない限り取れません。
窓口では、請求者と対象者のつながりを確認されます。祖父母より上の戸籍を請求するときは、自分から対象者までのつながりがわかる戸籍(自分の戸籍、親の戸籍など)を先に取り、順にたどっていくのが確実です。
広域交付制度で近くの役所からまとめて取れる
2024年3月から戸籍の広域交付制度が始まり、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で直系の戸籍をまとめて請求できるようになりました。先祖の本籍地が全国に散らばっていても、一つの窓口で済むため、先祖調査のハードルは大きく下がっています。
ただし制度には条件があります。
- 窓口での請求のみ。郵送や代理人による請求は対象外です。
- 顔写真付きの本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)が必要です。
- コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外で、従来どおり本籍地への請求(郵送可)になります。
広域交付で取れなかった古い戸籍だけを、本籍地の役所へ郵送請求する、という二段構えが現実的です。郵送請求では、定額小為替で手数料を同封します。
窓口での頼み方 — 「出生から死亡まで、すべて」
請求書の書き方で最も大切なのは、1通ずつ指定するのではなく「〇〇(先祖の氏名)の出生から死亡までの戸籍をすべてください」と書く(伝える)ことです。使用目的は「先祖の調査のため」「家系図作成のため」で問題ありません。
戸籍には必ず「従前戸籍」(その人が前にいた戸籍)や父母の名前が書かれています。手に入れた戸籍の従前戸籍をたどって、また請求する——この繰り返しで一世代ずつ遡っていきます。
急いだほうがよい理由 — 除籍の保存期間は150年
除籍謄本の保存期間は150年です(2010年の改正前は80年で、その時期に廃棄されてしまった戸籍もあります)。明治期の戸籍は、これから順次保存期限を迎えていきます。廃棄された戸籍は二度と手に入りません。先祖調査を思い立ったら、戸籍の請求だけは早めに済ませておくことを強くおすすめします。
集めた戸籍は、読み解いた内容を家系図の形に整理しておくと、あとから見返すときも、親族に共有するときも格段に楽になります。