自分の家の家紋の調べ方
最終更新: 2026-08-24
冠婚葬祭で「お宅の家紋は?」と聞かれて答えられない——今ではごく普通のことです。家紋は戸籍のような公的記録に載らないため、家の中の物から探すのが基本になります。この記事では、家紋を探す場所を可能性の高い順に挙げ、名字と家紋の関係についての誤解、どうしても見つからないときの考え方までを説明します。
探す場所1: 墓石
最も見つかりやすいのは先祖代々の墓です。竿石(名前が刻まれた縦長の石)の正面上部や、花立て・香炉に家紋が彫られていることが多く、古い墓ほど確実です。墓参りの際に写真を撮っておきましょう。同じ墓地にある本家・親戚の墓も確認すると、紋が一致するかどうかで家どうしの関係も見えてきます。
探す場所2: 紋付・留袖などの和服
黒紋付や留袖には背中・両袖・両胸の五か所(五つ紋)などに家紋が入っています。タンスに祖父母の紋付が残っていれば、そこに入っているのが自家の紋です。ただし女性の着物には、実家の紋(女紋)を入れる地域・家もあるため、誰の着物かを確認してから判断してください。
探す場所3: 仏壇・位牌・家の中の道具
仏壇の扉や金具、位牌、提灯、風呂敷、漆器などにも家紋は使われます。蔵や古い家財が残る家なら、瓦(鬼瓦)や暖簾も候補です。何も見つからないときは、本家や親戚に聞くのが早道です。葬儀を出したことのある親族なら、葬儀で使った紋を控えている場合があります(葬儀社に記録が残っていることもあります)。
よくある誤解: 名字で家紋は決まらない
「〇〇という名字の家紋はこれ」という一覧をよく見かけますが、名字と家紋は一対一に対応しません。家紋は家ごとに受け継がれるもので、同じ名字でも家が違えば紋は違いますし、同じ家系でも分家の際に紋を変えた例があります。
辞典類に載っているのは「その名字を名乗った諸家が、文献上どんな紋を使ってきたか」という記録です。当サイトの名字ページで紹介している家紋も同じ位置づけで、「あなたの家の家紋」を示すものではありません。自家の紋は、あくまで自分の家の物から確かめてください。
家紋の基礎知識 — 十大家紋
家紋は数千種あるといわれますが、使用する家が特に多い紋は限られています。俗に十大家紋と呼ばれるのは、鷹の羽、片喰(かたばみ)、木瓜(もっこう)、藤、柏、蔦、沢瀉(おもだか)、橘、目結(めゆい)、茗荷(みょうが)です。自家の紋が見つかったら、まずこのあたりの系統のどれに属するか、そして「丸に」が付くかどうか(丸の有無で別の紋です)を確認すると、名前を特定しやすくなります。
見つからないときは「決めてよい」
手を尽くしても分からない場合、新しく家紋を定めることは何ら問題ありません。家紋には登録制度や法的な独占権がなく、歴史的にも分家や新戸が新しい紋を使い始めるのは普通のことでした。先祖の出身地や名字の由来にちなんだ紋を選び、その経緯を家系図に書き添えておけば、それ自体が次の世代に渡す家の記録になります。